北海道青少年科学文化財団は、1973年、北海道に在住する青少年に科学及び文化の知識の普及と国際理解の推進を目的として設立され、三笠宮寛仁親王殿下を名誉評議員にお迎えしました。
21世紀に入り、科学技術の驚異的発展は我々の日常生活、社会経済活動の基盤に劇的な変化をもたらしました。インターネットによるコミュニケーションと情報検索機能は世界中どこからでも利用可能となり、時間と空間の距離感を無くしたグローバルな世界を迎えたことを実感させられます。一方で、文化を形成する我々の日常生活は、人間の心臓の鼓動を単位とするゆっくりとした時間の流れの中で、人間の歩行のみでは頻繁に到達できない地球の各地域で営まれております。
そこには独特の価値観に基づく文化が流れる社会が存在し、その構成員として一人の人間が存在する現実があります。そこでの文化・日常性をインターネットのみで他者に伝えることは極めて困難で、このことから青少年が豊かな社会を形成するためには、異なる文化を背景とする他者とのFace to
Faceのコミュニケーションと議論を通した知識形成が絶対的に必要であり、その具体策として青少年の国際交流が叫ばれていると理解します。
2014年、彬子女王殿下には、亡き寛仁親王殿下のご遺志を継いで、本財団の名誉評議員にご就任頂きました。急速に進展するグローバリゼーションの中で、北海道が発展するには、日本のそして北海道の文化に誇りを持ち、広い国際的視野と内外にわたるネットワークを持つ青年リーダーの育成は益々重要となっています。若い人たちが、ややもすると内向きになりがちと言われる昨今、広く世界に目を向け、グローバルな視点を持って我が国の将来を考え、北海道の持続的発展と世界への貢献を担っていく若いリーダーを育成するため、当財団は一層の貢献を果たしていけるよう努力してまいります。
関係各位のご支援ご協力をお願いしご挨拶といたします。